ゆるみはどうやって把握する?【軸方向繰り返し荷重試験】

2020.09.25

軸方向繰返し荷重によるゆるみ試験

ボルト軸直角方向以外に、軸方向の繰返し荷重についてもゆるみの原因となります。

軸方向繰返し荷重試験では、繰返し荷重が以下の条件で回転ゆるみが発生することが知られています。

W / F0 = C とおくと、C ≧ 2 が回転ゆるみが発生する最低条件であると言われている。

( W:負荷荷重 F0:初期軸力)

軸方向繰返し荷重試験の試験方法と試験例

 

ボルトナットを下図の様に締結し治具下部に繰返し荷重を作用させます。
繰返し荷重により、回転ゆるみが発生するかどうかをボルトナットの軸力測定する事で観測します。

 

試験周波数
繰返し荷重: 1Hz

 

試験条件

初期軸力 F0

ボルト降伏軸力Fyの20%、70%の2組
Fy= 340 × 84.3
= 28662 (N)
①Fy の 20% = 5732 (N)
②Fy の 70% =20063 (N)

繰返し荷重 W

ボルト降伏軸力Fyの50%、80%の2組
③Fy の 50% = 14331 (N)
④Fy の 80% =22930 (N)

 

引張荷重・初期軸力組合せ

 

試験結果

上記結果より、軸方向繰り返し荷重では、ボルトナットは正しく締結し、十分な初期軸力(ボルト降伏軸力Fyの70%)を与えていれば、ボルト降伏軸力Fyの80%という大きな繰り返し荷重がかかっている場合であっても、一般の六角ナットでさえ回転ゆるみを起こしにくいことが理解できます。
一方、なんらかの要因で初期軸力が大きく低下した場合(ボルト降伏軸力Fyの20%)
ボルト降伏軸力Fyの50%(C=2.5)で六角ナット、六角ナット+ばね座金は完全に回転ゆるみを起こし、ダブルナットでも初期軸力が半分程度に低下します。さらに、ボルト降伏軸力の80%(C=4)の場合では、ハードロックナット以外は完全に回転ゆるみを起こしていることが分かります。
以上の結果より、ハードロックナットの場合は、初期軸力が低い場合やなんらかの要因で軸力が低下した場合であっても、回転ゆるみを生じにくいことが分かります。

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