概要
溶融亜鉛めっきとは、基材を溶融させた亜鉛槽(約450~600℃)に浸け基材表面に亜鉛層を形成するめっき方法で、めっき槽に浸ける様子からドブメッキと称されることがあります。
トタンとして知られ屋根などの屋外で使用されている鉄板は鉄板表面に亜鉛めっきを施したもので、鉄の薄板を圧延等で製造する過程において溶融亜鉛槽を潜らせて製造することもあります。
鉄への溶融亜鉛めっきは比較的強い防食作用を持ちますが、これは鉄と亜鉛のイオン化傾向の違いから、酸化しやすい(錆びやすい)環境下では亜鉛が先に酸化されることで基材である鉄の酸化を抑制するため犠牲的防食作用と呼ばれる効果が生じます。
溶融亜鉛めっきはその防食作用を利用し、屋外の鋼材構造物の錆防止手段としてよく使われております。亜鉛の付着量はJIS規格で定められています。
溶融亜鉛めっき防食処理の方法
基材を亜鉛溶融めっき槽(約450~600℃)に浸け基材表面に亜鉛層を形成した後に亜鉛溶融めっき槽から取り出し、遠心分離などの手段により余分な亜鉛を排除します。亜鉛層の膜厚はめっき槽の温度や浸けている時間、余分な亜鉛の排除方法により制御されますが、ねじの谷部分等に溶融亜鉛が残りやすいこと、個別の冷却の方法等により亜鉛層の厚さや表面状態はばらつくことが知られています。
当社の取り扱い
当社ではHDZ35を溶融亜鉛めっきの標準としております。
またねじの谷部のめっき厚大に対応するためにM8,M10,M12のナットについてはねじさらいを行っております。
索引・参考情報
一般社団法人 日本溶融亜鉛鍍金協会 http://www.aen-mekki.or.jp/
JIS H 8641:溶融亜鉛めっき
JIS H 0401:溶融亜鉛めっき試験方法