鉄鋼材料について「基礎編」

2020.09.18

鉄鋼材料の基礎

 

鉄鋼と非鉄の違い

鉄鋼と非鉄の特徴を列挙します。

      • 鉄鋼は融点が高いことから強度と耐熱性に優れ、構造材として適しています。一方、腐食しやすいので実用的にはメッキ等の防錆処理が必要となります。耐食性をあげるために鉄とクロムの合金であるステンレス鋼が開発されました。
      • アルミニウムは軽くて強度もある程度確保できることから航空機分野で発展し、現在は各種機械部品としても広く利用されています。表面の酸化皮膜によって耐食性に優れます。
      • 銅は青銅合金として歴史が長いですが、現在は純銅が電気機器分野で、各種銅合金が機械部品として広く利用されています。強度と耐食性を併せ持った特性であります。
      • チタンは近年利用され始めた新しい材料でありますがコストが高いです。鉄鋼クラスの強度を持ちながら軽く(比強度が高いという)、耐食性も優れています。

 

炭素鋼とは

鉄と炭素との合金において炭素量が2,1%までを鉄鋼と呼び炭素鋼といいます。炭素量が2.1%以上を鋳鉄と呼びます。炭素鋼では炭素量が0.8%の鉄鋼を共析鋼といい、その金属組織は鉄鋼の代表的組織であるパーライト組織になります。炭素量に応じて低炭素鋼、中炭素鋼、高炭素鋼といった区別をすることもあります。

 

横軸に炭素量、縦軸に温度をとって鉄/炭素の混合状態を図示したものが鉄―炭素状態図です。状態図では混合物が安定して取り得る状態の数と種類が表されています。鉄に炭素が溶け込んだ単一状態の固溶体として、低温側にα(フェライト)相と呼ぶ固溶体と高温側にγ(オーステナイト)相と呼ぶ固溶体が存在します。化合物Fe3Cをセメンタイトと呼びます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

製造方法

鉄鋼には製造方法によって高炉材と電炉材があります。

高炉材は鉄鉱石を原料とする高純度な鉄鋼材料で、製鉄一貫メーカで製造されています。

 

 

 

転炉工程で得られる鋼塊には脱酸力の違いによってリムド鋼、セミキルド鋼、キルド鋼があります。

リムド鋼は脱酸力が弱くて気泡が多く、また内部に不純物が多く残ります。普通鋼に適用されます。セミキルド鋼は脱酸力が適度であって厚板と型鋼に適用されます。キルド鋼は脱酸力が強力で鋼質は良好となりますが引け巣ができるため歩留まりが悪くなります。機械構造用炭素鋼とか合金鋼などの特殊鋼に適用されますが、近年は普通鋼であるSS400の高品質グレードにも適用されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電炉材は鉄スクラップを主原料とする混入不純物が多い鉄鋼材料で、電炉メーカで製造されています。

電炉材のメリットとしては、コストが安価であって鉄鋼世界生産量の約3割が電炉材であります。建材、筐体用途に有益であります。一方デメリットとしては、不純物が多いので適用できる鋼種に制限があることで、特殊鋼には向きません。疲労強度が不純物のために劣る可能性もあります。

 

 

 

熱処理について

 

基本的な熱処理

熱処理とは鉄鋼材料とか鉄鋼部品に加熱・冷却の操作を加えることで、金属組織とか性質を変化させることができます。特に強度特性が大きく改善されます。

主な熱処理には焼入れ、焼戻し、焼なまし、焼ならしがあります。

 

 

熱処理による組織変化

熱処理によって金属組織は大きく変化し、強度特性も大きく変化します。亜共析鋼について熱処理による組織変化と硬度HVの変化を例示します。マルテンサイトとはオーステナイト相の急冷準安定組織であって微細針状形態をしており強度が格段に高い特徴があります。トルースタイトとかソルバイトはフェライトとセメンタイトの緻密な混合組織のことをいい、トルースタイトの方がより緻密な組織であります。

 

 

 

 

主要鉄鋼材料

 

鉄鋼材料には普通鋼と特殊鋼とがあります。

普通鋼は鉄にC、Si、Mn,P、Sの主要5元素のみ入った炭素鋼のことで、焼入れしないで使用されます。主要な普通鋼としてSS材、SPC材、SPH材があります。SS材ではSS400が広く使われています。

 

 

特殊鋼は普通鋼に特殊元素を入れて特別な性質を持たせた合金鋼のことです。合金量が5%以下を低合金鋼、5~10%を中合金鋼、10%以上を高合金鋼といいます。主要な特殊鋼(合金鋼)としてS-C材、機械構造用合金鋼(SCMなど)、SUS材(ステンレス鋼)、SWRCH(冷間圧造用炭素鋼)などがあげられます。これらはいずれも、ネジ、ボルト、ナットなどの製造にも使用されています。

 

 

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