概要
クロメート処理とは基材の表面に亜鉛メッキ(多くは電気亜鉛メッキ)を行った後に耐食性付与のためにクロム酸塩の薄膜を形成する表面処理(めっき)方法です。クロメート被膜は非晶質なものであり、機械的強度に弱くキズなどを生じやすいことが知られています。しかし、使用環境やキズの程度にもよりますが、一般にこの部分から亜鉛の白さびを生じることはほとんどありません。これは皮膜自身が自己修復作用を有しており、ごく薄い不導体膜が瞬時に形成され亜鉛の腐食を抑制するためと思われます。
用いられるクロム酸塩について六価クロムが環境破壊物質(六価クロムはRoHS規制登録物質です)として規制されているため三価クロムに移行しています。
クロメート処理の方法
クロメート処理では鉄基材に電気亜鉛めっきを施し、クロム酸塩を含む溶液に浸漬し不動態化させることで、化学研磨作用と自己修復性の皮膜形成を同時に進行させます。
クロメート処理された直後の皮膜状態は不安定で耐摩耗性に極めて乏しく、手で触れたり品物同士がこすれあったりすると容易にはく落し、キズを生じるなどの欠点があります。クロメート皮膜がその特性を発揮するのは皮膜が完全に乾燥固化してからのことで、処理後最低24時間は必要(※索引参照)と言われております。
当社の取り扱い
当社ではお客様のご要望に応じて対応を行っております。
索引・参考情報
実務表面技術-77-10,P489 クロメート皮膜の乾燥方法と耐食性について
JIS H 8625:電気亜鉛めっき及び電気カドミウムめっき上のクロメート被膜、P244
JIS H 8625:電気亜鉛めっき及び電気カドミウムめっき上のクロメート被膜 付属書1、P245
JIS H 8625:電気亜鉛めっき及び電気カドミウムめっき上のクロメート被膜 付属書2、P246