ねじには、ねじ山の形状やねじ山の角度、ねじの大きさ(呼び径)、ねじ山のピッチなどの違いによってさまざまな種類があります。ここでは、一般用メートルねじについてご紹介します。
メートルねじとは
メートルねじは、各部の寸法をmm基準として決めたねじ山の角度が60°の三角ねじです。国際規格としても採用されており一般的なねじです。
呼び径とピッチが一般的な並目ねじと、並目ねじよりピッチの細かい細目ねじがあります。
基準山形
軸線を含む断面において、めねじとおねじが共有する理論上の寸法と角度とで定義される理論上のねじ山の形状のことを基準山形といいます(図1における太線部分)。
ここで、
D めねじ谷の径の基準寸法
D₁ めねじ内径の基準寸法
D₂ めねじ有効径の基準寸法
d おねじ外径の基準寸法
d₁ おねじ谷の径の基準寸法
d₂ おねじ有効径の基準寸法
P ピッチ
H とがり山の高さ
(H = (√3/2)P = 0.866025404 P)
基準山形の寸法
めねじ谷の径の基準寸法D又は、おねじ外径の基準寸法d、そしてピッチの値を当てはめれば、下記の計算で求めることができます。
めねじ有効径の基準寸法 D₂ = D – 2×(3/8)H = D – 0.6495 P
めねじ内径の基準寸法 D₁ = D – 2×(5/8)H = D – 1.0825 P
おねじの有効径の基準寸法 d₂ = d – 2×(3/8)H = d – 0.6495 P
おねじ谷の径の基準寸法 d₁ = d – 2×(5/8)H = d – 1.0825 P
呼び径及びピッチの選択
1)表1に示すピッチにおいて最大呼び径以上の呼び径は用いないほうが良いとされております。
表1 ピッチ適用最大サイズ表
2)表2中の第1選択の呼び径を優先的に選び、必要時は第2選択や第3選択を選びます。
( )付きのピッチはできるだけ避け、呼び径35mmのものと呼び径14mmでピッチ1.25mmのものは特定の用途のみで用います。
また、表2よりも小さいピッチを必要とする場合は1)を考慮し、次のピッチから選択します。
”3 mm、2 mm、1.5 mm、1 mm、0.75 mm、0.5 mm、0.35 mm、0.25 mm、0.2 mm”
ただし、ピッチに対して呼び径が大きくなるに従い、公差に従うことが難しくなることを考慮しておく必要があります。
表2 代表サイズの呼び径・ピッチ組合せ表(M5–M30)(クリックでPDFが開きます)
一般用メートルねじの基準寸法
表3にM5からM30における一般用メートルねじの基準寸法について示します。基準山形の各部基準寸法の計算式はこのページ上述の「基準山形の寸法」の欄に、または、JIS B 0205「ねじの規格 一般用メートルねじ」に記載しておりますので、ご参照ください。
表3 一般用メートルねじの基準寸法(M5–M30)(クリックでPDFが開きます)
(引用・参考文献)
JIS規格はJIS検索より内容の閲覧が可能です。
- 日本産業規格 JIS B 0205-1:2001 「一般用メートルねじ―第1部:基準山形」
- 日本産業規格 JIS B 0205-2:2001 「一般用メートルねじ―第2部:全体系」
- 日本産業規格 JIS B 0205-4:2001 「一般用メートルねじ第4部:基準寸法」
- 日本産業規格 JIS B 0101:2013 「ねじ用語」