保証荷重試験とは
ナットの「保証荷重試験」とは、製造されたナットが強度区分ごとに定められた、保証荷重(保証荷重応力または保証荷重試験力 ※以後保証荷重値と記載する)に耐えうるかを物理的に確認する試験です。保証荷重の負荷によって、過大な塑性変形やねじ山のせん断破壊がないか? き裂発生や破断などの破壊がないかを検証する試験です。
なぜこの試験が重要なのか?(試験の目的)
ねじ締結体において最も危険なのは、締付け時や使用中に「ナットのねじ山だけが内部でせん断破壊し抜け落ちる」ことです。これは外見からは異常が分かりにくく、重大事故に直結します。
【重要設計思想:ボルト先行破断の原則】
安全な締結設計では、過大な負荷がかかった際、ナットが壊れるよりも先に「ボルト側が伸びて破断」するように設計されます(ボルトの破断は目視で発見しやすいため)。この安全設計を成り立たせるため、「ナット側は絶対にボルトより先に壊れない(負けない)」強度を持っていることを証明するのが、本試験の最大の目的です。
試験の具体的な手順
保証荷重試験は万能試験機を用いて、以下の手順で実施されます。
① マンドレルに、ナットをねじ込みます。
② 保証荷重を軸方向に負荷します。
③ 指定された保証荷重に達した後、その状態を「15秒間」維持します。

図1 ナット取付け例:a) 引張による試験、b) 圧縮による試験
合格基準
保証荷重を完全に除荷した後、以下の3点が確認できれば合格となります。
① ナットのねじ山がせん断破壊していないこと。
② ナットが破断していないこと。
③ ナットが指の力でマンドレルから取り外せること。
まとめ
ナットの保証荷重試験は、単に「壊れないか」を見るだけでなく、「大きな負荷がかかっても変形せず、メンテナンス時に安全に取り外せるか」という機能性も含めた安全確認です。




