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高温における疲労強度について

2023.07.12

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高温における疲労強度について

高温(ここでの高温とは、絶対温度の融点の半分程度を指します)における疲労強度と疲労寿命評価は高温環境下で用いられる種々の産業機械や部品において極めて重要な課題であります。高温になると、金属材料は組織変化や酸化やクリープなどの現象によって疲労特性が変化するからです。加えて、高温疲労特性は、繰返し応力、ひずみの速度、切欠き形状、平均応力や雰囲気などの影響も受けます。高温疲労は、高温高サイクル疲労と高温低サイクル疲労に分けられます(図1)。前者は、繰返し応力が弾性限以下の場合であり、高温酸化の影響が大きくなります。後者は、繰返し応力が塑性域に入る場合で、高温酸化とクリープの相互作用(クリープ疲労相互作用)が大きくなります。また、加熱と冷却のサイクルによって発生する熱疲労も重要な現象となります。

 

図1 高温疲労において重要となる各現象の関係

図1 高温疲労において重要となる各現象の関係

 

 

疲労強度に関する要因の影響

高温高サイクル疲労強度と高温低サイクル疲労強度に影響を与える要因として、繰返し速度、切欠き効果、平均応力、雰囲気などが挙げられます(表1)。繰返し速度が遅くなると、高サイクル疲労と低サイクル疲労の両方で、高温での疲労強度が低くなります。切欠き効果は、高サイクル疲労では高温で弱まり疲労強度の低下が小さくなる一方で、低サイクル疲労では一般的に疲労強度を低下させますが、高温クリープ現象が起こる条件では複雑な挙動を示します。平均応力は、高サイクル疲労では一般的に疲労強度を低下させ、高温ではその傾向が強まる一方で、低サイクル疲労では塑性ひずみ範囲に対して影響がほとんどなく、一般的に平均応力を考慮する必要はありません。雰囲気の影響としては、高温酸化が重要ですが、高サイクル疲労と低サイクル疲労の両方で、大気中では真空中よりも高温での疲労強度が低くなります。

 

表1 高温疲労強度に及ぼす主な各種要因と影響

表1 高温疲労強度に及ぼす主な各種要因と影響

 

高温高サイクル疲労、高温低サイクル疲労の各ケースの詳細につきましては、ねじ締結技術ナビ技術資料「高温疲労」をご覧ください。

また、疲労強度に関連する以下のねじ締結技術ナビ技術資料・コンテンツもあわせてご覧ください。

疲労に関連するねじ締結技術ナビコンテンツまとめ

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