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プラスチックのクリープについて

2024.07.31

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プラスチックのクリープについて

 

一般的に、材料が一定温度、一定応力条件下で時間の経過とともに変形が進行する現象をクリープと言います。一定の温度で荷重をかけて応力を加え続けると、時間の経過とともにひずみが増加し続け、最終的に破壊に至ります。この現象がクリープなのですが、プラスチックの場合は金属材料に比べて耐熱性・融点がかなり低いため、クリープは室温でも顕著に発生します。プラスチック部品の製造では使用条件として応力がかかる場合がありますが、耐クリープ性に優れることも重要なポイントの一つになります。プラスチック材料の中で分類的には熱硬化性樹脂の方が熱可塑性樹脂よりも耐クリープ性が一般的に良好といわれています。熱可塑性樹脂の中ではスーパーエンジニアリングプラスチックであるPEEK(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)やPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)などが耐クリープ性に優れています。

 

プラスチックは力学的性質として粘弾性を示すことが大きな特徴です。粘弾性とは弾性的な性質と粘性的な性質をあわせ持った性質であることを指します。弾性は外力によって生じた変形が外力を除去すれば元に戻る性質のことです。粘性は一般的には流体のねばさを表す性質のことで、せん断方向の力に対する抵抗力で表されます。プラスチックのような固体材料でも粘性の性質を併せ持つことから、粘弾性という表現で力学的性質が表されています。

 

プラスチックについてのクリープ曲線、すなわちクリープひずみと時間の関係を表した概念図を図1に示します。試験片に応力がかかると瞬間的に弾性ひずみが発生しますが、時間が経過するとせん断降伏ひずみが発生してこれらの両者による全ひずみが増加します。経過時間において短時間側ではクリープひずみの増加は大きいですが、次第に図中に点線で示したクリープ限度ひずみに近づきます。当然ですが、負荷応力が増加するほど、あるいは温度が高くなるほどクリープひずみは大きくなり、図中で表されたクリープ曲線は上方向に移動することになります。

 

図1 プラスチックのクリープ曲線

図1 プラスチックのクリープ曲線

 

 

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