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トルク法(ボルトの締付け方法)

2023.06.13

ボルトを適切に締付けることは極めて重要です。締付け方法はいくつかありますが、この技術コンテンツでは、最も広く用いられているトルク法について簡単に紹介します。以下のねじ締結技術ナビ技術寄稿もあわせてご覧ください。

 

 

トルク法

弾性域内においては、トルクを締付ければそれに伴って締付け軸力が上昇するという、トルクと締付け軸力が比例関係にあります(図1の赤線)。三角ねじの場合、簡便な方法としてT=KdFT:トルク、K:トルク係数、d:ボルトの呼び径、F:目標軸力)からトルクと締付け軸力の関係を知ることができますが、トルク法は、この線形関係を利用し、トルクレンチやスパナを使って、ナットあるいはボルト頭部に与えたトルクをボルト軸力に変換する方法です。締付け作業が簡便であり、また、安価な工具を用いて人力で締付けることが可能なため、最も一般的に広く普及している方法です。油圧レンチやエアレンチによる締付け、空気圧を衝撃力として利用したインパクトレンチもトルク法の一種です。トルク法の注意点として、締付け時の軸力が比較的ばらつくことが挙げられます(25–30%程度のばらつきは避けられないと言われています)。先に挙げたねじ締結技術ナビ技術寄稿の通り、与えられたトルクの約50%がナット座面の摩擦に、約40%がねじ面の摩擦に費やされ、軸力に使われるのは約10%と、摩擦の影響が強いです。したがって、仮に、同じサイズのボルトを同じトルクで締付けてもねじ面やナット座面の摩擦係数が異なってくれば、軸力はばらついてきます(摩擦係数が大きくなれば、軸力は下がります)。軸力のばらつきの大きさは、接触面の状態、潤滑剤の有無あるいは使用する潤滑剤の性状に依存します。

 

図2 トルク法

図1 トルク法

 

 

以下の技術資料、コンテンツもあわせてご覧ください。

 

参考文献

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