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回転角(度)法(ボルトの締付け方法)

2023.06.28

ボルトを適切に締付けることは極めて重要です。締付け方法はいくつかありますが、この技術コンテンツでは、回転角(度)法について簡単に説明します。また、回転角(度)法に関する詳細についてはねじ締結技術ナビ技術寄稿にまとめられています。あわせてご覧ください。

 

 

回転角(度)法

回転角(度)法は、ボルト・ナットの相対回転角度の大きさを締付け指標にすることによって、ボルトに所定の軸力を与える方法です(図1)。具体的には、角度割出し目盛板(分度器)や電気的な検出器などを用いて回転角(度)を管理します。この方法には、ボルトを弾性域内で締付ける弾性域回転角(度)法と塑性域まで締付ける塑性域回転角(度)法があります。前者では、最初にスナッグポイント(ボルト・ナットが被締結体に密着する点)までトルクを与え、それ以降はボルト軸力とナット回転角がほぼ比例することを利用して締付けます。前者の方法は、締付け力のばらつきが大きいためあまり使用されていませんが、舶用関連の重要部品の締付けなどに使用されています。後者は、塑性域まで締付けることにより、回転角の増加に対して軸力の変化が小さくなることを利用した締付け方法です(締付け力のばらつきが小さくなります)。指標となる回転角が大きいためにボルト軸力の制御が比較的容易であることから、自動車産業などにおいて呼び径の小さな高強度ボルトに対する適用例があります。回転角法の注意点は、締付け初期のスナッグポイントがばらつくこと及び塑性域回転角(度)法において、締付け完了が塑性域深くに入る可能性があることであり、この場合ボルトナットの再使用については注意が必要です。

 

図3 回転角(度)法

図1 回転角(度)法

 

 

 

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参考文献