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JIS B 1181 本体規格品と附属書品の違い(ねじの規格)

2022.12.09

六角ナットについて「スタイル1」「スタイル2」や「1種」「2種」と、様々な呼び名があり、悩まれた経験がある方もいらっしゃるのではないかと思います。ここでは、これらの違いに関するJIS B 1181: 2014「六角ナット」の本体規格と附属書について紹介します。

 

本体規格と附属書

まず、JIS規格とは産業製品に関する日本の国家規格のことであり、基本的にはISO規格(国際規格)に準拠して定められております。しかし、ねじの規格に関して従来はISO規格と一部寸法などが異なり、世界調達や海外生産などの対応のためにISO規格に準拠する内容へと規格が改訂されました。それまで使用されていた規格は附属書という形で残っておりますが、附属書には「この附属書は、将来廃止するので、新規設計の機器、部位などには使用しないのがよい。」と明記されております。

 

本体規格品

「スタイル1」「スタイル2」と呼ばれるものが本体規格品(新JIS品)となります(図1、表1)。国際標準化を目的とし、ISO規格に準拠した形状、寸法に変更されました。ねじ山のせん断破壊に対する抵抗力を高くするために、ナットの高さが附属書品よりも高くなっており、強度区分に関しても内容が改訂されております。同じ強度区分の比較では本体規格品の方が附属書品よりも強度が高くなっております。製品の寸法、形状、仕上がり状態によって区分された部品等級(A、B、C)があります。

 

図1 本体規格品のナットの比較(Dは呼び径)

図1 本体規格品のナットの比較(Dは呼び径)

 

 

表1 本体規格品(クリックするとPDFが開きます)

 

 

附属書品

「1種」「2種」「3種」と呼ばれるものが附属書品(旧JIS品)になります(図2、表2)。1種、2種は8割ナット、3種は6割ナットと呼ばれることもあります。この8割や6割は呼び径に対する高さ寸法の割合を指します(M10であれば1種、2種は高さが8mm、3種は高さが6mm)。二面幅が一般のものより小さい小形六角ナットというものもあり、軽量化などの目的で自動車関係等に使用されております。製品の仕上げで「上」「中」「並」の3つに区分されております。

 

図2 附属書品のナットの比較(Dは呼び径)

図2 附属書品のナットの比較(Dは呼び径)

 

 

表2 附属書品(クリックするとPDFが開きます)

 

 

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(引用・参考文献)
JIS規格はJIS検索より内容の閲覧が可能です。

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